種のオカレンスを用いてデータの乏しい地域の環境特性をマッピング

情報の少ない地域の環境データを指標種で導き出す方法を提案する研究です。

GBIF 経由で使用されたデータリソース : 30,000 species occurrences
Adiantum
Maidenhair fern (Adiantum sp.) collected in Soplin, Perú by M. A. Ríos Paredes et al. Photo: Field Museum of Natural History (CC BY-NC 4.0)

環境データは、通常、生態的ニッチの定義と、種の分布をモデル化するために使用されます。しかし、環境データが乏しい場合には、指標種の存在が環境条件の推定に用いられます。

この研究で、著者らは、1)既知の環境耐性を持つ指標種、2)GBIFなどからの種のオカレンス、3)環境データのみ、の3つのレイヤーのプロットデータから環境マップを生成する方法を概説しています。

第1のレイヤーから、著者らは最適環境条件を導き出すことができます。次のステップでは、これを用いて、種のみが知られるプロットにおける環境特性の推定値を推測できます。これらの推定値に環境情報が既に知られているプロットの情報を加えると、外部のデータセットを使った検証ができ対象領域のマップが生成されます。

著者らはこのフレームワーク案を使用し、指標種にシダ類とヒカゲノカズラ類を用いて、アマゾン地域の土壌品質マップを(陽イオン濃度によって測定したように)問題なく作成し、環境データを12倍増加させることができました。

Original paper

Zuquim G, Stropp J, Moulatlet GM, Van doninck Jasper, Quesada CA, Figueiredo FOG, Costa FRC, Ruokolainen K and Tuomisto H (2019) Making the most of scarce data: Mapping soil gradients in data‐poor areas using species occurrence records. Methods in Ecology and Evolution. Wiley 10(6): 788–801. Available at: https://doi.org/10.1111/2041-210X.13178.